まず、LPOの基本として押さえておきたいのは、「LPOとは見た目のデザイン性を高めることとは異なる」という点である。
独立したランディングページにありがちなのが、全体に統一感のある色調でデザイン性の高いページだ。キーワード広告専用の受けページとして、コーポレートサイトなどの通常サイトと独立して作成している分、キーワード広告に特化したデザインとなっているようだ。
見た目のデザイン性に意味がないとはいわない。しかしLPOで大切なのは、キーワード広告からの流入という特色を活かして、ユーザーのモチベーション分析や人間の行動心理などのいわゆる「テクニック」をページに盛り込み、“意図を持った構成”で効果を高めていくことだ。訴求したいテキストやクリックしてほしいボタンなどの色彩構成や大きさ、配置などに強弱を付けるといった工夫をするのは、デザインの統一感を保ちながらでも可能なはずだ。また、ユーザーのモチベーションと関係性の低いリンクをページ内から減らすことで、ユーザーの離脱につながる動線を排除するなどの工夫もできるだろう。
改めて確認するが、LPOは、キーワード広告で流入するユーザーの意図を考慮した“最適化”を目的として行うものであり、「ユーザーの意図に沿ったコンバージョンへの動線構成をあらゆる観点から分析している」という点が重要だ。これは、デザイン重視のLPOとの決定的な違いだといえるだろう(図1)。
図1 ユーザーのモチベーションに合致する、目的に合ったアクションを導く工夫をこらしたランディングページの例
「ユーザーの意図に沿ったコンバージョンへの動線構成をあらゆる観点から分析している」という点が、デザイン重視のLPOとの決定的な違いとなる。